あいつがいない人生を生きたい。

洗濯は自分でできるようになったが、
毎日はできない。
どんどんたまる汚れ物。

床屋にはなかなか行ってくれない。
ヒゲは自分で剃ろうとしない。

ベッドの敷きパッド。
タオルケット。
ベッドの上に無造作に置いてある汚れ物。
コインランドリーで洗濯してきた。

グループホームの近所の床屋を探す。
３，９００円もする。
ここでやってもらおうか。

帰りに冬服をユニクロで探す。
サイズが合わなければ交換、
俺が着てもいいか。

あいつがいない人生を生きてみたい。

一昨日の夜中、母から電話。
言っていることの意味がわからない。
ボケた？　ぞっとした。
弟と母の面倒を看たくはない。

薬局で処方される、ふだんは服用しない、睡眠薬を間違えて飲んでしまったことが原因、
だと本人は言っていた。
今日もしっかり話せているのだ信用してもいいか？

母が認知になったら、俺の人生はそこで終わる。

いやだいやだいやだ。